相手を理解するときチームに信頼が生まれる
相手を理解するということ
スポーツの現場でよく言われる「相手を理解する」という言葉。
しかし実際には、「分かっているつもり」になっていることも少なくありません。
そこでヒントになるのが、心理学者のジョセフ・ルフト と
ハリントン・インガム が提唱した「ジョハリの窓」という考え方です。
人の心には、4つの窓があります。
①解放の窓(自分も他人も知っている)
→他人からも自分からも見えている部分
②秘密の窓(自分だけが知っている)
→他人からは見えていないが自分からは見えている部分
③盲点の窓(自分は知らないが他人は知っている)
→自分からは見えていないが他人からは見えている部分
④未知の窓(自分も他人も知らない)
→自分からも他人からも見えていない部分

選手と指導者、チームの選手同士。
人と関わりながら日々生活する中で、相手の事を理解している。
このように思っているかもしれません。
相手を理解することとは、
「見えているものを評価すること」ではなく
「見えていないものに目を向ける」。
選手自身に対しても言えますが、
見えていない部分にこそ、パフォーマンス向上のヒントがあります。
違う角度から相手を見ることによって
より深い信頼関係が築いていけるようになります!
指導者としての気づき
指導者として選手と関わる中で、ハッとさせられる出来事があったんです。
ある日、私は一人の選手にこう声をかけました。
「調子よさそうだね。」
するとその選手から、
「調子よさそうに見えますか?」
と返されました。
その一言に、私は言葉を失いました。
実は、その選手はまったく調子が良くなかったのです。
私は「表情」や「動き」や「雰囲気」から、
勝手に「きっと大丈夫だろう」と判断していました。
しかし、それはあくまで私の見え方であって、本人の内側とは違っていたのです。

私たちは、相手を理解しているつもりになることがあります。
自分が一番近くで見てるから。
選手やメンバーの気持ちを分かっているに違いない。
長く関わっていればなおさら
「相手のことを理解できている」
このように、脳は錯覚してしまいます。
でも、本当のところ
相手の心の中を100%理解することは、誰にもできません。
どれだけ近くにいても、相手は“自分とは違う一人の人間”です。
だからこそ大切なのは、
分かっているつもりにならず、相手を分かろうとし続けること。

あのとき私は、「調子よさそうだね」と断定するのではなく
「調子はどう?」と問いかけるべきだったのかもしれません。
これをオープンクエスチョンといいます。
相手がどのように思っているのかを詳しく聞き出す方法です。
後は、チームの選手同士で話し合うこともとても大切です。
普段から一緒に練習し、時間を共にしていると「分かっている」と感じやすいものです。
しかし、実際には話しているようで、まだまだ知らない一面があるはずです。
プレーに対する考え方、感じている不安、目指している目標。
言葉にして初めて伝わる想いも少なくありません。
相手を本気で理解しようとするなら、コミュニケーションは欠かせません。
ただ会話をするのではなく、相手の言葉に耳を傾け、受け止めようとする姿勢が大切です。
対話を重ねることで「解放の窓」は広がり、
お互いの理解はより深いものになっていきます。
チーム力の向上は、技術だけでなく、
こうした日々のコミュニケーションの積み重ねから生まれるのだと思います。
最後に
ここまで「相手を理解すること」について話してきました。
自分の考え方一つ、言葉の使い方一つで相手との信頼関係は大きく変わります。
私自身、メンタルコーチや指導者として、また子育てを通じて、
「相手を理解すること」が決して簡単なことではないと痛感してきました。
だからこそ、これからも相手の気持ちに寄り添い、信頼を積み重ねていけるように努力していきたいと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました!
スポーツメンタルコーチ
上山珠美
相手を理解するためのセミナー
チームに向けたサポートもしています!